今から約40年前、カンボジアではたった数年の間に約300万人が大虐殺されました。
キリングフィールドとは当時虐殺に使用されていた処刑場を指します。
今回はそんな「負の遺産」と呼ばれるキリングフィールドについてご紹介します。
行く前に知っておきたい300万人大虐殺の過去
そもそもなぜこのような悲惨な出来事が起こってしまったのでしょうか。
そこには「ポル・ポト」という一人の独裁者が大きく関係します。
1975年から1979年までポル・ポトは独裁者としてカンボジアを支配し、共産主義社会を目指して教師や医師などの知識人から順に処刑していきました。
当時は「メガネをかけている」、「外国語を話せる」という理由だけで何人もの人が処刑の対象になってしまうほどの残虐さだったと言います。
明確な数字は出ていないものの、国民の約1/3にあたる300万人ほどが処刑や飢餓、過労などで亡くなったと言われています。
キリングフィールドとは
キリングフィールドはカンボジア全土で約100ヶ所以上発見されており、そのうち保管されているのは80ヶ所ほどです。
その中でも一番有名なのはプノンペンから約15km離れた、チュンエク村にあるキリングフィールド。
チュンエク大虐殺センターの行き方
プノンペン市内からは15kmほどしか離れていませんが、道があまり舗装されていないため所要時間は約40分ほどかかります。
移動手段は主にトゥクトゥクかバイクタクシー、もしくは事前にツアーを申し込むこともできます。
なるべく値段を抑えたい方はトゥクトゥクかバイクタクシー、値段交渉が不安な方はツアーがおすすめです。
1人の場合はバイクタクシー、数人の場合はトゥクトゥクを選ぶとより費用を抑えることができます。
所要時間は約2時間半
キリングフィールドでは、日本語の音声ガイドを聞きながら建物内を見て回ることができます。
すべて聞くと90分ほどですが、ビデオ上映や建物内の散策も含むと約2時間半ほどかかります。
一見緑の多い広場のように見えますが、音声ガイドを聞きながら見て回ると至る所に当時の傷跡が残っていることがよく分かります。
なかにはショックが大きく最後まで見て回れなかったという人もいるため、気分が悪くなったら無理せず休みましょう。
入場料金・営業時間
入場料金だけだとUS3$、音声ガイドをつけるとプラスUS3$が必要です。
建物内を見て回る際は音声ガイドをつけた方がよりカンボジアで起こった出来事について知ることができるため、迷っている方はぜひ音声ガイドをつけましょう。
施設名(英語) | Choeung Ek Genocidal Center |
住所 | Roluos Village, Sangkat Cheung Aek, Phnom Penh, Cambodia |
入場料金 | US3$ (音声ガイド US3$) |
営業時間 | AM7:30~PM5:30 |
チュンエク大虐殺センターの注目ポイント
ここからはチュンエクにあるキリングフィールド(チュンエク大虐殺センター)のポイントをご紹介します。
子供の虐殺現場「キリングツリー」
キリングフィールドの中を歩いていくとたくさんのミサンガがかかった大きな木があります。
通称「キリングツリー」と呼ばれるものです。
処刑といえばなるべく簡単に息の根を止める方法を選びますが、当時のカンボジアにはそのような道具はありませんでした。
そこで小さな子供を処刑するのに使われたのがこのキリングツリーです。
処刑の対象となった大人に関係する子供ももれなく処刑され、生まれたばかりの赤ちゃんもこの木に頭を打ち付けられて亡くなりました。
人骨が保管されている「慰霊塔」
キリングフィールドに入ってすぐにこのような大きな建物があります。
建物内は17階建てになっており、この数字はポル・ポト率いるクメール・ルージュ兵がプノンペンにやってきた4月17日の日付を表しています。
この中には多くの人骨が展示されており、頭蓋骨に性別や年齢層、殺害方法などで色分けされたシールが貼られています。
一見あまり現実味のない出来事のように思えますが、実際に亡くなった方の人骨や処刑に使われた道具を見ることでより当時の悲惨さを実感することができます。
キリングフィールドへ訪れる際の注意点
ここからはキリングフィールドに訪れる際の注意点を2つご紹介します。
事前知識を入れておく
キリングフィールドへ訪れる際は少しでもいいので、事前にカンボジアの歴史について調べておきましょう。
歴史的背景が強く根付いている場所なので、何も知らずに行ってしまいあまりの悲惨さに気分が悪くなってしまう人もいます。
カンボジアという国をより深く知るためにも、過去の出来事に少し触れておくことをおすすめします。
ゴミのポイ捨ては厳禁
カンボジアは年中気温が高いため敷地内にペットボトル飲料を持ち込んだり、入場する際に配られるパンフレットを持ち歩くことになると思います。
残念なことに、キリングフィールド内には観光客が捨てていったであろうペットボトルやパンフレットのゴミがところどころに落ちていました。
キリングフィールドだけに限らず、ゴミはきちんと自分で管理するようにしましょう。
カンボジアの負の遺産、キリングフィールドまとめ
悲惨な過去だからといって見なかったことにするのではなく、カンボジアが好きな方にこそ訪れていただきたいスポットの1つです。
カンボジアに行く機会がある方はぜひ、カンボジアの歴史について学べる場所にも足を運んでみてください。