口永良部島で心を整える旅|海と山、人の温かさに癒された3泊4日

旅の醍醐味は、日常では見られない景色と、そこでしかできない体験に出会えることです。
今回は、私が4月に訪れた鹿児島県・口永良部島での3泊4日の旅をご紹介します。
口永良部島とは?|アクセス・位置・特徴を紹介
鹿児島からフェリーで行ける小さな離島

口永良部島(くちのえらぶじま)は、鹿児島県南部・屋久島の宮之浦港からフェリーで約1時間40分。
海に囲まれた火山島で、大きな活火山と、活動を終えた古い火山が一つずつあります。
島からは、屋久島をはじめとする離島が点在し、水平線から昇る朝日や沈む夕陽が堪能できます。
2016年にはユネスコエコパークにも登録され、貴重な自然と多様な生態系が守られています。
人口わずか100人|施設の少ない「何もない島」

口永良部島は縄文時代から人が暮らす有人島。現在は3つの集落に約100人が住んでいます。
島内にはコンビニや飲食店、病院、交番などはなく、最低限の生活施設のみが点在しています。
民宿や個人商店、お弁当屋さん、温泉、ガソリンスタンドがある程度で、買い物は屋久島か鹿児島本土で行う人が多いようです。
絶景に包まれる|ツーリングでめぐる大自然

島唯一のガソリンスタンドでバイクを借り、海沿いの道をぐるりと一周しました。
広がるのは、海・山・草原が織りなす壮大な景色です。
元牧場の草原|木がないからこそのスケール感

特に印象的だったのが、島の東側にある旧町営牧場跡。
木がほとんどなく、どこまでも見渡せる景色は、まるで絵画のようでした。
芝生の緑と空の青がくっきりと映え、風景の美しさに見惚れました。
ヤギやシカとの出会い|動物たちの楽園

道中では、野生のヤクシカやヤギにたびたび遭遇しました。
人口より動物の方が多いという話にも納得です。
「牛が一頭だけいる」と聞いて探しましたが、今回は見つけられず。
次回こそは出会ってみたいと思います。
島グルメに癒される|民宿のごはんとお弁当

素朴で優しい味|島の食材を使った手料理
飲食店がないため、朝夕は民宿で、昼はお弁当を持って出かけました。
地元で獲れた魚や野菜を使った料理は、どれも優しい味わいです。
旬の食材も季節ごとに変わるそうで、また別の時期にも訪れたくなりました。
海や草原で食べるお弁当は、何よりの贅沢
お気に入りの景色を見ながらの食事は格別です。
岩場や草原で、風や動物の声を感じながら味わうごはんは、心に残るひとときでした。
「何もない島」で出会う、豊かな体験

人の温かさに触れる|会話のなかの優しさ
地元の人からは「この島には何もない」とよく言われました。
確かに観光地らしい施設やお店はありません。
それでも、都会では味わえない人との距離感や自然の美しさが、心を癒してくれました。
滞在中には「昨日も来てくれたね」と声をかけられたり、「島民価格でいいよ」とサービスを受けたり。
人の温かさに何度も触れることができました。
観光地化されていないからこそ見える暮らし
観光客が少ないからこそ、地元の暮らしを肌で感じることができます。
畑で作業をする人、漁船を待つ家族など、島の日常がそこにありました。
口永良部島を訪れる前に知っておきたいこと
フェリーは日によって運航時間が異なる

フェリーは偶数日と奇数日で出港時間が変わります。
天候によって運休することもあるため、事前にフェリー会社の公式サイトで確認を。
民宿の予約・食事の準備は事前に連絡を

食材が限られているため、民宿での食事は前日までに連絡を入れるのが基本です。
島の暮らしに寄り添いながら過ごすためにも、準備は大切です。
まとめ|心と体をリセットするなら、口永良部島へ

海と山に囲まれた静かな島。そこには、喧騒とは無縁の豊かな時間が流れています。
計画を立てて訪れれば、自然と人のやさしさに触れる旅が待っています。
(ライター:しおん)