タビゼミ主催のオンライン旅トークとは
<<そもそもオンライン旅トークとは>>
実際に旅をしながら暮らしているゲストさんをお呼びして、オンラインで開かれるタビゼミメンバー限定のトークイベント。参加にはタビゼミへの加入が必要となります。
タビゼミ主催のオンライン旅トークとは 先日、タビゼミで第1回オンライン旅トークが行われました。 オンライン旅トークは、タビゼミのオンラインサロンという特性を活かし、旅をしながら暮らしている方をゲストにオンラインでトークライブをしても[…]
第2回目となる今回は吉野裕斗さんをゲストにお呼びしました。
高校時代に世界一周をしたり、学生団体を立ち上げた後、現在は大学生でありながら様々な活動をされており、1年の多くを海外で過ごしている吉野さん。
今回は世界一周や国際協力、これから目指していることのお話をお聞きしました。
高校生で世界一周!吉野裕斗ってどんな人?
吉野裕斗さんのこれまでをご紹介
高校生で世界一周の旅
29カ国を世界一周中には訪れました。
英語留学のためにひと月ほどフィリピンへ、その後は主に東南アジアから南アジア、アフリカをケニアから南アフリカまで縦断、トルコ経由でアルゼンチンに、そこからコロンビアを北上してアメリカから帰国しました。
元々は違うルートを想定していましたが、アジアで出会った旅人とネパールで合流した際、「お前がやりたい事はそのルートではできないからしっかりアフリカを回った方がいい」と言われ、行く予定がなかったアフリカと南米に行き、気が付いたら発展途上国メインの世界一周になっていました。
世界一周に行ったきっかけと、世界一周から学んだもの
世界一周のきっかけとなったのは、高校時代から行っていた国際協力です。
国際協力の活動をしているとビデオレターや子供達からの手紙が届くのがとても嬉しく、国際協力をやり続けられたら本当に幸せなことだなって想いから、高校2年生の頃に大学で国際協力を学ぶことを決意しました。
国際協力と一言で言っても米や水、教育、衛生、経済的な部分の支援のどれをやりたいのかがわかりませんでした。
活動するフィールドもアフリカ、中東、南米でそれぞれ異なります。
アプローチの方法も国連やJICA、NGO、民間企業のCSRのどれなのかを考えていたら、何もわからなくてどうしようとなりました。
わからなくなったので、まずは色んな人の話を聞くことにしました。
日本にも素敵な人はいるけど、やっぱり現地で活躍している人の話を聞いて、現地の人が何に困っているのかを知りたいって思ったから途上国の周遊を決意しました。
旅費については親にお願いしたものの支援が得られなかったため、いくつかの企業さんから協賛をいただき3ヶ月頑張った結果、135万円を集めることできました。
世界一周中は学校にはじまり、児童拘置所、病院、美術館、市役所、ゴミ捨て場やゴミ処理所など、色々な所を見て学ぶことで、自分自身の国際協力に対する気持ちや関心が高まりました。
そして自分がたどり着いた結論は、民間からのアプローチをです。
行政の国際協力は主に期限付の援助、例えば学校に百万円への支援をしてもずっと送り続けられなくて長くても大体7〜8年。
支援が切れるまでにしっかりその百万円を投資したり何かの状況を作ったりしていればいいけど大体できていない状況です。
それどころか支援前よりも困った状況になったり、もっと欲しいと思わせる体勢を現地の学校側に作らせてしまっているです。
簡単に言ってしまうとそういうことになります。
実際にネパールなどで見たことがきっかけとなり、民間からのアプローチにたどり着きました。
民間でやることでのリスクはもちろんありますが、新しい仕組みを作ることができると考えています。
世界一周でつながった人たち、見てきた世界
現地で行われるスタディーツアーや、実際に行っている企業に積極的に参加していました。
フィリピンでは国際協力をする時の派遣先をしている企業を訪問して、その会社からの紹介で現地のスラム街にホームステイをしました。
ベトナムでは世界一周の資金提供を協賛してくれた社長さんがおり、その人の紹介で日本人学校や現地の企業を訪問することができました。
人の繋がりから、国際協力をしている人たちにたくさん引き合わせてもらうことができた旅でした。
そういう旅をしてたから僕の力が云々より、出会った人たちが本当に素晴らしくて、日本人含めて世界中の人にお世話になりました。
はい。当時は「面白い高校生がいるぞ!」ってことで人を繋いでもらっていました。
今だったら同じような待遇を受けられたかどうか正直わからないですね。
そういう意味では大学生や社会人もある意味一つのバッジ、社会人は質問できる質が違ったりお酒が飲めたり別の意味で可愛がってもらえると思うので、自分の年齢やアイデンティティーを生かしながら現地の人とコミュニケーションを取ると、自分ならではの旅を作れると思います。
辛かった時期について聞いてみました
色々ありますが1つは高校一年生の何者でもなかった時が一番しんどかったです。
中学までやっていた野球を高校に入りテニスに変えましたが、ずっとテニスをしていた人との差からいきなり自己肯定感やアイデンティティみたいなのがなくなりました。
学校の勧めで周りは留学に行き始めているけれど、自分はお金がなくて行けない、さらに勉強もできる方じゃないし面白さや見かけ、本当に何事でも一番じゃなくなったときでした。
海外にいくことや旅を通して、人とは違う視点を持ったことで徐々にそんなコンプレックスは忘れていきましたけどね。
もう1つは世界一周前の時期ですね。
家庭状況を現実的に考えたり、世界一周する発信をした際に一時的にツイッターで悪口をかかれたり、テレビに出た時は僕のことなにも知らない人たちに悪いことを書かれたり、企業へ協賛のお願いにいったらまた悪口を言われたりと。
今はクラウドファンティングとか仕組みがありますが、僕が世界一周した5年前はまだ人からお金を集めるような仕組みが世間的に認められるようなことではなく、苦しい思いをしました。
高校生が活躍できる場を作るため立ち上げた学生団体
僕の高校が短期留学できる学校で、そういう人たちがいる中で経験で負けたくなかったから僕も行きたかったんですよ。
でも行きたいって親に言ったらお金がないからだめだと言われてしまいました。
高校1年生だった当時は、通学にバスと地下鉄を使っており、その定期券代を計算したら大体3年間で20万円でした。
そこでその20万円があれば短期留学にいけるのではと考え、明日から自転車で通うから代わりに20万円をくださいと親にお願いしたこともあります。
20万円だとアメリカもイギリスも1ヶ月間程度しか行くことができない、もっと違うところで価値を発揮したいと思った結果、東南アジアにたどり着きました。
ただ旅行のような感覚で行くのは面白くないので、電気ガス水道がないところを選んだ結果、タイの山岳民族の村に行くことにしました。
それまでは国際協力に興味はありませんでしたが、実際にタイの山岳民族の村に行ったことで、本当にこんな世界があるんだという気付きのような喜びに出会いました。
家に余っている鉛筆を村の子供達に配ったら「本当にくれるの、ありがとう!」て喜んでくれたりと、今では物をあげる事は良くないと思っていますが、当時はその経験が本当に印象深かったです。
帰国後は色々やりたいなと思いましたが、大人がやっていることもしっくり来なくて。
でも高校生だと権限を持ってやらせてくれない、じゃあ大学生もやっているから高校生もやってみて良いんじゃないかと考え、学生団体を立ち上げました。
立ち上げは高校1年生の11月ぐらいで、人数は6人にしかいませんでした。
最初の活動は自分が行った山岳民族の村の子供達を修学旅行に連れていくこと。
子供たちは高校生くらいになると出稼ぎで街に降りますが、今まで行ったことがないため街のことをあまり知らず、売春の斡旋をされたり、労働状況がよくないところで働かされたりしてしまうことが問題でした。
「ではその前の中学生のときに修学旅行として連れて行ってあげよう」ということで、募金活動を行い5万円前後を集めることができたら、その子達みんなバスに乗せて街に連れて行けると考えました。
この最初のプロジェクトが評価され新聞にも載せてもらうことができ、そこからメンバーが増え、やりたいことも増えていきました。
「バングラデッシュにお菓子を送ろう」「リコーダーを集めてフィリピンに送ろう」といった活動をしていたら、名古屋の国際協力系の学科の高校生たちが協力してくれるようになり規模が大きくなり、さらにできることが増えていきました。
そしたらまたメディアにも露出する機会が増え、その結果としてお金も集まってきてと、このサイクルでやりたいことができるようになっていきました。
僕が高校生のころに活躍できる場がなく作った団体であったため、今後も高校生だけが関われるようにしたいとの想いから1年半で代表を引退して、それから毎年、高校生1年生と2年生だけで運用する組織になりました。
あれから現在まで、7年間も続いていることは本当にすごいことです。
今になって思うと僕はあの団体は、国際協力として社会にとって良い団体というよりは、高校生にとっての学びの場だったんだなって思っています。
色んな経験や失敗をする中で、本当に国際協力をやりたかったら大学生になって学んで社会でやっていけば良いと思いますし、違う分野でも高校生の時から社会とつながっている事は勉強のモチベーションとして本当に良い事だと思うので、今後も続いていって欲しいです。
吉野裕斗さんの現在
今の旅のスタイル
はい、そうですね。行く先で色々なご縁を頂いているため、しっかり知見を集めながら自分の視野を広げたいですね。
僕は来年大学4年生になるため、2020年のうちに最初の一歩目二歩目をどの国でやっていくのか決めておきたいたいと考えています。
現在はセネガルが一番いいと思っているので、セネガルで法人を作るのか、それとも現地パートナーを作ってその人に任せるのか、とにかく何らかの形は作りたいと考え、その支度のような旅を今しています。
ただそのためだけに世界を旅しているのかと言われるとそうではなく、もっと一緒にみんなと世界を学びたいとか、仲間と世界というフィールドで自分を高めあう事をするために旅をしているというのも多いですよ
吉野裕斗さんの現在の時間とお金の使い方について
大学やゼミは楽しいから好きで通っているため、行きたいっていうモチベーションがあります。
もちろん運よく自分が学びたい事や、学びたい教授に出会えたのがまず前提にはありますが。
とくに大学生は長期休暇で1年の3分の1は暇なので、休みは海外、残りは日本にいるという生活をしています。これは大学生であればみんなできることですよね。
その際の資金は自分がやっている会社の2つの事業と、その他にも講演会の謝礼などでまかなっています。
他にも自分で書いているブログからも少しづづ入ってくるようになりました。
高校生の時など、以前から仕込んでいた事がどんどん花開いてきて、今の自分の生活の基盤を作っていますね。
アドバイスできる事でいうとお金がなかった大学一年生のころから、3年間は家を持たずに、いわゆるアドレスホッパーな生活をしています。
東京の駅に近い場所で良い場所に住もうとすると大体6-7万円の家賃、水道光熱費で1万円、初期費用で安くても30万円、それに家具家電揃えることが少し馬鹿らしくなり、そこに使うはずだったお金を自分のやりたい事業の初期投資や自分の経験に使いました。
お金を経験に変えた結果、まわりまわって今それがお金に変わってきている感覚はあります。
時間やお金で削減できる物を削減して、それを投資に回すというのは皆さんでもまねできる所なんじゃないかなと思います。
大学生は何かを始めることとよりも止めることが大事。
僕は普通の人がやるような事をやめまくっています。
その結果、スマホ以外の家具家電通信にほとんどお金かからない、食に対してのこだわりもないからいつも最安のもの、毎日クロックスとほぼ同じ服で、リュック1個で生活したりしている感じです。
元々お洒落には興味関心がないからですが、ファッションに関してのみんなからの評価は犠牲にしているし、家がないから趣味の物を置けないし集められない。
それぐらいのことをして時間とお金を捻出しているので、大学の授業と両立できる部分もあると思います。
吉野さんの好きな国
めちゃくちゃ難しくて一ヵ国には決められないですね。
面白さだとバングラデッシュがいいです。
世界で一番人工密度の多い国で世界のカオスが詰め込まれたような国で、インドをある意味色んな側面で超えてくる場所。
人も優しくて外国人観光客が少ないから騙す事も少ないし、本当に知り合った同世代の家にその日のうちに泊まりに行けるようなフラットさがあります。
現地の人たちの事を知りながら日常のなかで色んな刺激や発見がある。
観光だとタンザニアがオススメ。
モシュにはキリマンジャロがあり、バルレッサラームはインド文化とアフリカ文化が混ざっていて面白いです。
アルーシャに行けばライオンキングとかの映画の舞台になったサファリがあり、旅人が憧れるような世界観が見られます。
住みやすい・安心安全でいうならカンボジアだし、フィリピンは住みにくいけど英語が通じるしビジネスチャンスに溢れている。
コロンビアも住みやすいから旅しにいくならここも面白いと思う。そんな感じです。