本記事は、フィリピン渡航前にやらないと現地で詰まる10の手続きを、外務省『フィリピンにおける安全対策(安全の手引き)』をもとに1ヶ月前から出発当日まで時系列で整理したチェックリストです。eTravel・海外旅行保険・予防接種・たびレジ・服装・防虫対策まで、抜け漏れなく準備を進めるためのガイドとして使ってください。
観光目的30日ノービザだけ知っていても準備は足りない

フィリピンは日本国旅券所持者に対して、観光目的なら最大30日のビザ免除を認めています。
ただ、ビザ免除以外にも事前に押さえるべき手続きが複数あります。
eTravel申請、海外旅行保険、予防接種、たびレジ登録、防虫対策など、見落とすと現地で詰むポイントが点在しています。
本記事では1ヶ月前から出発当日までの時系列で、10項目を順番に潰せる形に整理しました。
1ヶ月前:海外旅行保険は必ず加入する

フィリピンは医療保険が整備されておらず、日本国内と同レベルの治療を受けると数百万円単位の費用がかかる場合があります(出典:外務省『安全の手引き』)。
事故に遭った場合の補償も少なく、たとえば自動車保険の対人賠償が100万円未満の場合があります。
フィリピン国内で治療できない場合や受け入れ先が見つからない場合、日本など他の国で治療を受けるために緊急移送しようとすると、数千万円単位の費用がかかる場合があります。
海外旅行保険の種類や補償はさまざまですが、一般的に日本出発前にしか加入できないため、十分な保険金額の海外旅行保険に加入した上で渡航することが強く推奨されています。
選ぶべき補償項目は3つ、医療費(治療費)、賠償責任(対人・対物)、緊急移送費。
クレジットカード付帯の保険は補償額が低いことが多いため、別途加入を検討しましょう。
1ヶ月前:パスポート残存期間を確認する

フィリピン入国時には、パスポートの残存有効期間が滞在予定期間以上であることが求められています。
一般的には残存6ヶ月以上を確保しておくと、入国審査でのトラブルを避けられます。
外出時に多額の現金やパスポート等の貴重品は、必要がない限り持ち歩かないことが推奨されています。
外務省はパスポートコピーの携行を推奨しているため、ホテル金庫に原本を預け、コピーだけ持ち歩くのが基本です。
万一に備え、原本写真・コピーをスマートフォンに保存しておくとさらに安心です。
1ヶ月前:予防接種スケジュールを組む

外務省『安全の手引き』では、フィリピン渡航前に推奨される予防接種が複数あります。
定期的にはしかの大流行があり、結核患者が多いため、特に乳幼児は事前に日本で予防接種を受けておくことが賢明です(出典:外務省/厚生労働省検疫所)。
その他、A型・B型肝炎、腸チフス、破傷風、日本脳炎、狂犬病、ポリオなどの予防接種が推奨されています。
最新の感染症情報は、厚生労働省検疫所「FORTH」(forth.go.jp)で確認できます。
予防接種は複数回接種が必要なものもあるため、渡航1ヶ月前には行動を起こすのが理想です。
特にパラワン島・カガヤン峡谷・ミンドロ島・スールー諸島・ミンダナオ島の一部では、マラリア感染例が認められています。
これらの地域、特にパラワン島に2週間以上滞在する場合は、抗マラリア薬の予防内服が有効とされていますので、事前に専門医に相談してください。
1週間前:たびレジ登録で緊急情報を受け取る

外務省の在外邦人安全管理は、3ヶ月未満の旅行者向け「たびレジ」と、3ヶ月以上の長期滞在者向け「在留届」の2系統で運用されています。
短期旅行者はたびレジに登録するだけで、緊急時の安否確認メールが現地大使館から自動配信されます。
ezairyu.mofa.go.jp(在留届電子届出システム)または、たびレジサイト(ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/)で、出発日・帰国日・宿泊先を入力するだけで完了します。
たびレジ未登録だと、台風・地震・テロなどの有事の際の安否確認メールが届かず、家族との連絡が取れない事態に陥りやすくなります。
3ヶ月以上滞在する人は、現地到着後3ヶ月以内に在留届を必ず提出する義務があります(出典:外務省『安全の手引き』)。
家族にも登録URLを共有し、緊急連絡先を相互に把握しておくのが渡航前準備の基本です。
3日前:eTravel入力を完了させる

フィリピン入国時には、Philippines Travel Information System(eTravel)の入力・提示が求められています(出典:外務省『安全の手引き』)。
eTravelは、フィリピン入国前72時間以内に専用サイト(etravel.gov.ph)から登録するオンライン登録です。
パスポート情報、フライト情報、滞在先住所、健康申告などを入力し、QRコードを取得します。
eTravelは無料の公式サービスで、フィリピン政府が運営しています。
検索結果の上位に「フィリピン eTravel」で偽サイトや代行業者が表示されることがあるので、URLが「etravel.gov.ph」であることを必ず確認してから入力してください。
QRコードは取得後すぐにスクリーンショット保存し、印刷したものも持参すると入国審査がスムーズです。
3日前:防虫対策とミネラルウォーターの確保
外務省『安全の手引き』によれば、デング熱は年間を通じてフィリピン全土で発生しています。
ネッタイシマカやヒトスジシマカ等に刺されることで感染し、重症化すると死亡率が高いデング出血熱やデングショック症候群を発症することもあります。
長袖・長ズボンなどの着用により肌の露出を少なくし、昆虫忌避剤(虫除けスプレー等)を使用するなど、十分な防虫対策を行うことが肝心です。
水道水は水道管や貯水タンクの汚れ、汚物の混入等により、大腸菌等に汚染されている可能性があります。
飲用・製氷には市販のミネラル・ウォーターの利用をお勧めします(出典:外務省『安全の手引き』)。
食品はよく加熱し、調理後早めに食べる、生野菜や刺身等は衛生状態に信頼のおける店以外では食べない、市中の高級レストランでの飲食は概ね問題ないが、大衆食堂や屋台等では食器類の衛生管理が不十分なため食中毒に注意してください。
公衆トイレの衛生状態は悪いので、市販の消毒用ハンドジェルを常時携帯することも推奨されています。
出発前:服装・装備を最終チェックする
フィリピンでは性犯罪や強盗のリスクがあるため、外務省は服装・持ち物について次の点を推奨しています(出典:外務省『安全の手引き』)。
服装・持ち物は華美なものをできるかぎり避け、なるべく目立たないものにする。
露出度の高い服装は避け、単独でも複数であっても女性のみでは行動しない、自宅でも(高層階を含む)カーテンを開けたまま肌を露出しないよう注意する。
ホイッスルや防犯ブザー等、大きな音が出るものを身につけ、危険が迫っていると感じた場合に使用するのが推奨されています。
リュックサック式のバッグは背後からジッパーを開けられたり刃物で切り裂かれて財布等を奪われることがあるので、肩掛け式のバッグをたすきがけにするのが望ましいとされています。
ズボンの後ろポケットに財布や携帯電話を入れない、というのも基本ルールです。
出発前:現金とカードは複数に分散保管

やむを得ず貴重品を携行する際には、1つのバッグに入れず分散して携行することが推奨されています。
特に財布と携帯電話は別々に持つようにする(奪われた時に連絡手段が全てなくなることを防ぐため)(出典:外務省『安全の手引き』)。
クレジットカードも国際ブランド(VISA・Master)を2枚以上、別の場所に保管しておくと、片方を盗難されても被害を最小化できます。
狙いを定めて犯行に及ぶ犯人が多いことから、銀行、ATM、両替所等からの帰り道などは周囲の状況に十分注意してください。
両替時もできるだけ少額に分けて両替し、財布の中身を人前で見せない工夫が必要です。
繁華街や乗合バスなど人混みの中では、常に用心し、バッグの中の財布の位置に気をつける(すぐ出せるところや、ズボンの後ろポケットからスリ盗まれることが多い)。
出発当日:手荷物管理と運び屋依頼への対応

出発当日、空港・搭乗ロビーで見知らぬ人物から「○○氏へお土産を持って行って欲しい」などの依頼を受けた場合は、毅然とした態度で断ってください(出典:外務省『安全の手引き』)。
知らない間に手荷物に薬物等を入れられてしまうこともあるので、空港等においては手荷物の管理を徹底することが肝要です。
到着後の移動は、必ず公式タクシー・配車アプリGrab・ホテル送迎を利用してください。
空港出口の客引きタクシーは、ぼったくり・拉致リスクがあるため絶対に乗らないようにします。
長時間フライトの疲労で判断力が落ちている時こそ、判断を保留し、安全側に倒すことが命を守ります。
まとめ|備えチェックリスト

フィリピン渡航前にやるべき10項目は次の通りです。
1ヶ月前に海外旅行保険・パスポート残存・予防接種を確認し、1週間前にたびレジ登録、3日前にeTravelと防虫対策、出発前に服装・現金分散、出発当日に手荷物管理。
この10項目を順に潰せば、現地で詰まることなくスタートできます。
備えのある旅は、心理的にも余裕が生まれ、純粋に観光を楽しめる時間を最大化してくれます。
このページをブックマークし、フィリピン旅行が決まった時点で1ヶ月前から順番にチェックを始めてください。
【出典・参考】
外務省『フィリピンにおける安全対策(安全の手引き)』2025年8月、在フィリピン日本国大使館
本記事は上記資料をタビゼミ編集部が独自に要約・再構成した解説コンテンツであり、外務省が作成・監修したものではありません。最新の情報は必ず外務省 海外安全ホームページにてご確認ください。