本記事は、韓国旅行中にテロ・大規模災害・北朝鮮関連の有事・大規模事故などに巻き込まれた日本人が、最初の数分から数時間に何をすればよいかを、外務省『安全マニュアル(在大韓民国日本国大使館発行)』をもとに7ステップで整理した実用ガイドです。連絡先・避難の動き方・最低限の韓国語フレーズまでまとめます。
韓国は北朝鮮との軍事境界線が国土の北側を走る現実
韓国は北朝鮮と陸続きで、首都ソウルから軍事境界線まで約50kmという地理的特徴を持つ国です。
過去にもミサイル発射・砲撃事件・偶発的な軍事衝突が複数回発生しており、観光客の滞在中に有事に巻き込まれる可能性はゼロではありません。
外務省『安全マニュアル』でも、北朝鮮情勢の緊迫時は速やかに在留届やたびレジの登録メールを確認するよう繰り返し案内されています(出典:外務省『安全マニュアル』)。
渡航前と滞在中は、外務省海外安全ホームページと現地の英字ニュースに毎日目を通しておくことを推奨します。
緊張が高まっている時期はDMZ(非武装地帯)観光ツアーが中止になる場合もあり、中止ニュースは現地の温度感を知るシグナルとして使えます。
韓国観光は楽しい一方で、北東アジアの地政学リスクの上に成り立っている現実は知っておきましょう。
ソウルや空港でも民防衛訓練のサイレンは突然鳴る
韓国では年に数回、民防衛訓練(민방위훈련)として全国一斉のサイレンが鳴り、街頭が一時停止する時間があります。
サイレン自体は訓練ですが、初めての旅行者にはテロや有事と勘違いするケースが多く、外務省『安全マニュアル』でも事前周知の重要性が説かれています。
訓練中は車両も停車させられ、地下鉄駅やビルの地下に避難するよう放送が流れます。
ソウル中心部の地下鉄駅は防空シェルターを兼ねており、有事の際の避難場所として整備されています。
宿泊施設のフロントスタッフに最寄りの民防衛避難所(대피소)の場所を確認しておくと、いざという時に迷いません。
街中で「대피소(テピソ)」と書かれた青地に白文字の標識を見たら、それが避難所の入口です。
在留届とたびレジは何が違うのか

外務省の在外邦人安全管理は、3ヶ月以上の長期滞在者向け「在留届」と、3ヶ月未満の旅行者向け「たびレジ」の2系統で運用されています。
短期旅行者はたびレジに登録するだけで、緊急時の安否確認メールが現地大使館から自動配信されます。
ezairyu.mofa.go.jp(在留届電子届出システム)で、出発日・帰国日・宿泊先を入力するだけで完了します。
たびレジ未登録だと、有事の安否確認・退避情報メールが届かず、家族との連絡が取れない事態に陥りやすくなります。
3ヶ月以上滞在する人は、現地到着後3ヶ月以内に在留届を必ず提出する義務があります(出典:外務省『安全マニュアル』)。
家族にも登録URLを共有し、緊急連絡先を相互に把握しておくのが渡航前準備の基本です。
緊急事態が起きたら最初にやる3つの行動

韓国で大規模災害・テロ・北朝鮮関連の有事が発生した場合、外務省『安全マニュアル』が推奨する初動は次の3つです。
第1にテレビ・ラジオ・SNSで一次情報を確認し、デマや誇張に流されないこと。
第2に大使館・領事館からの一斉メールやSNS発信を確認し、退避指示の有無を見極めること。
第3に日本の家族・職場と連絡をとり、自分の現在地と健康状態を共有すること。
通信手段が不安定になる場合に備え、SMS・LINE・メールの複数手段を確保しておくと安心です。
ホテルにこもるか、空港に向かうかの判断は、必ず大使館の公式アナウンスを起点にしましょう。
連絡先早見表:警察・救急・観光警察・大使館

韓国で覚えておきたい緊急連絡先は5つです。
警察112、消防・救急119、観光警察1330(24時間日本語対応)、在韓国日本国大使館領事部02-739-7400、外務省海外緊急電話81-3-3580-3311です。
警察112に電話して「ジャパニーズプリーズ」と伝えると、日本語通訳が3者通話に入ります(出典:韓国警察庁/外務省『安全マニュアル』)。
韓国観光公社が運営する1330(観光案内&観光警察)は、観光トラブル全般に日本語で対応してくれる無料窓口です。
道に迷った時、ぼったくり被害、スリ被害、宿泊トラブルなどの第1次窓口として最も頼りになります。
大使館領事部02-739-7400は緊急時24時間対応で、邦人援護案件はこの番号から直接担当者につながります。
ソウル・釜山・済州の日本語対応病院
ソウルでは延世大学校セブランス病院・サムスンソウル病院・ソウル峨山病院などが大規模な国際診療部を持ち、日本語の予約窓口があります。
釜山ではプサン大学校病院・東義医療院、済州では済州大学校病院・漢拏病院がメイン候補です。
外務省『安全マニュアル』でも、滞在地ごとに日本語対応の医療機関を最低1つは把握しておくよう推奨されています。
緊急の場合は迷わず119で救急車を呼び、最寄りの大病院ER(応急室)に搬送してもらいましょう。
海外旅行保険のキャッシュレス提携病院リストは、契約時に必ずスマホに保存しておくのが鉄則です。
提携外の病院に運ばれた場合は、いったん自費で立替え後、帰国してから保険会社に請求する流れになります。
これだけ覚えておけば命が助かる簡単韓国語フレーズ

緊急時に最低限覚えておきたい韓国語フレーズは3つです。
「도와주세요(トワジュセヨ)」は「助けてください」という意味で、最も汎用的に使えます。
「경찰 불러주세요(キョンチャル プロジュセヨ)」は「警察を呼んでください」、「병원에 가야 해요(ピョンウォネ カヤヘヨ)」は「病院に行かないといけません」です。
「일본 사람이에요(イルボン サラミエヨ)」は「日本人です」、「일본어 통역(イルボノ トンヨク)」は「日本語通訳」を意味します。
このフレーズを警察や病院で伝えれば、可能な範囲で日本語通訳を呼んでもらえる確率が高まります。
スマホの翻訳アプリ(Papago・Google翻訳)と併用すれば、ほぼすべての緊急場面に対応できます。
韓国旅行で緊急事態を生き延びるための3つの心得|まとめ

韓国で緊急事態を生き延びるための心得は3つに集約されます。
第1に、たびレジまたは在留届を必ず登録し、大使館からの一次情報を確実に受け取れる体制を作ること。
第2に、警察112・観光警察1330・大使館02-739-7400の3番号をスマホメモに登録しておくこと。
第3に、滞在先ごとに日本語対応病院・最寄りの民防衛避難所・基本フレーズ3つを最低限把握しておくこと。
韓国は基本的に親日的で安全な観光地ですが、地政学的・自然災害的リスクは確実に存在します。
備えのある旅は、心理的にも余裕が生まれ、純粋に観光を楽しめる時間を最大化してくれます。
【出典・参考】
外務省『安全マニュアル』在大韓民国日本国大使館・作成協力ソウル・ジャパン・クラブ
本記事は上記資料をタビゼミ編集部が独自に要約・再構成した解説コンテンツであり、外務省が作成・監修したものではありません。最新の情報は必ず外務省 海外安全ホームページにてご確認ください。