本記事は、リオやヴェネチアだけでは物足りない旅好きに向けて、世界各地のマニアックな奇祭を7つ厳選して紹介します。開催時期や参加方法、旅行のヒントもまとめました。
次の旅先は「祭り」で選んでみてください。
有名な祭りでは満足できないあなたへ

リオのカーニバルやオクトーバーフェストは確かに素晴らしい祭りです。
でもそれだけが世界の祭りではありません。丘からチーズを追いかけて転げ落ちる祭り、街中で泥まみれになる祭り、砂漠に突如現れる巨大アート都市。世界には想像を超えた奇祭が数えきれないほど存在します。
マニアックな祭りを旅の目的にすると、ガイドブックには載っていない体験が待っています。ここからは厳選した7つの奇祭を紹介します。
チーズ転がし祭り(イギリス)丘を全力で転げ落ちる伝統行事

イングランド南西部グロスターシャー州にあるクーパーズヒルで、毎年5月末のバンクホリデーに開催される祭りです。
2026年は5月25日に開催されます。
どんな祭りか
丘の頂上から約4kgのダブルグロスターチーズを転がし、参加者がそれを追いかけて急斜面を駆け下ります。斜面の勾配は約45度で、チーズの速度は最高時速110kmに達するともいわれています。
最初にゴールした人がそのチーズを獲得できるというシンプルなルールですが、参加者の大半は途中で転倒し、文字通り丘を転げ落ちていきます。
麓には毎年救急車が待機しているほど過激な祭りですが、200年以上の歴史を持つ由緒ある伝統行事です。
参加方法
事前申し込みは不要で、当日丘の頂上に集まれば誰でも参加できます。レースは正午から始まり、約15分間隔で複数回行われます。
イーペルの猫祭り(ベルギー)3年に一度の猫だらけパレード

ベルギー西部の街イーペルで3年に一度だけ開催される、猫をテーマにした祭りです。
次回は2027年5月9日の開催が決定しています。
どんな祭りか
約2,000人が猫のキャラクターに扮して街を練り歩く大規模なパレードが目玉です。猫をテーマにした巨大な山車が次々と登場し、猫にまつわる歴史や物語が表現されます。
パレードのクライマックスでは、鐘楼の上から猫のぬいぐるみが投げ落とされ、キャッチした人には幸運が訪れるとされています。
中世にイーペルでは害虫駆除のために猫が飼われ、用済みになると鐘楼から投げ落とされた暗い歴史があります。現在の祭りはその過去を追悼し、猫への感謝を表す行事として続いています。
参加方法
パレードは午後3時に開始します。観覧は無料で、マルクト広場周辺が最も見やすいスポットです。ブリュッセルから電車で約2時間でアクセスできます。
ボリョンマッドフェスティバル(韓国)全身泥まみれの美容祭り

韓国・忠清南道の保寧市デチョンビーチで毎年7月中旬に開催される泥の祭典です。
どんな祭りか
保寧の干潟から採れるミネラル豊富な泥を全身に塗りたくり、泥レスリング、泥滑り台、泥風呂などを楽しむ体験型のイベントです。
1998年に地元の泥化粧品をPRする目的で始まった祭りですが、今では毎年数百万人が訪れる韓国最大級の夏フェスに成長しました。
泥には美容効果があるとされ、肌がすべすべになると評判です。泥で遊んだ後はそのまま海に飛び込んで洗い流せるのもビーチ開催ならではの魅力でしょう。
参加方法
入場券は現地で購入可能で、価格は10,000ウォン前後です。ソウルからバスで約2時間半、KTXとバスを乗り継いでもアクセスできます。
バーニングマン(アメリカ)砂漠に出現する1週間限りのアート都市

アメリカ・ネバダ州のブラックロック砂漠で、毎年8月末から9月初頭のレイバーデーにかけて約1週間開催されるイベントです。
どんな祭りか
砂漠の何もない荒野に約7万人が集まり、巨大なアート作品を建造し、最終日にはシンボルとなる木造の人形を燃やします。
会場内では貨幣経済が一切禁止されており、物々交換と「贈与」だけで1週間を過ごします。食料・水・テントなど生活に必要なものはすべて自分で持ち込む完全自給自足スタイルです。
単なるフェスティバルではなく、既存の社会構造から離れた文化実験の場としても知られています。
参加方法
チケットは毎年3月頃に公式サイトで販売され、価格は575ドル前後です。人気が高く抽選になることも珍しくありません。リノ市から車で約2時間半の道のりです。
オレンジ合戦(イタリア)中世の反乱を再現する柑橘バトル

イタリア北西部ピエモンテ州の街イヴレアで、毎年2月のカーニバル期間中に開催される祭りです。
どんな祭りか
街の住民がチームに分かれ、馬車に乗った「貴族軍」と歩行者の「市民軍」がオレンジを投げ合う壮大な合戦です。
中世に圧政に苦しむ市民が領主に反乱を起こした歴史を再現した祭りで、500年以上の伝統があります。使用されるオレンジは3日間で約500トンにもなるといわれています。
トマティーナと比較されることがありますが、オレンジ合戦は「投げ合い」であり「合戦」です。チーム戦略や陣形があり、真剣勝負の熱気が漂います。
参加方法
市民軍への参加は自由ですが、赤い帽子を被っていないと「貴族軍」と見なされてオレンジの標的になります。トリノから電車で約1時間です。
ロッブリーの猿の祝宴(タイ)野生の猿に豪華ビュッフェを振る舞う祭り

タイ中部ロッブリー県で毎年11月の最終日曜日に開催される、猿を主役にした祭りです。
どんな祭りか
プラプラーンサームヨート遺跡に住む約3,000匹の野生のカニクイザルのために、住民が大量のフルーツ、野菜、お菓子をビュッフェ形式で振る舞います。
テーブルに山盛りのごちそうを猿たちが奪い合う光景は、世界でここだけの奇景です。猿は街の守り神として大切にされており、地元民にとっては感謝を伝える神聖な行事でもあります。
観光客も見学できますが、猿が食べ物だけでなくカメラやサングラスも奪おうとするため、持ち物の管理には注意が必要です。
参加方法
バンコクから電車で約3時間、またはバスで約2時間半で到着します。入場は無料です。
祭りの会場となるプラプラーンサームヨート遺跡は街の中心部にあり、駅から徒歩圏内でアクセスも便利です。猿が集まりやすい午前中の早い時間帯に到着しておくと、ビュッフェ準備の様子から見学できます。
携帯電話投げ世界選手権(フィンランド)使わなくなったスマホを全力で投げる

フィンランド東部の街サヴォンリンナで2000年から始まった、携帯電話を投げてその飛距離を競う国際大会です。
どんな祭りか
使わなくなった携帯電話を投げ、飛距離やフリースタイルの美しさを競います。世界記録は100メートルを超えており、毎年各国から真剣に記録を狙う選手が集まります。
「飛距離部門」と「フリースタイル部門」があり、フリースタイルでは投げ方の独創性や演技力が審査されます。ユーモアあふれるパフォーマンスが会場を沸かせるのもこの大会の魅力です。
電子ゴミ問題への意識啓発という側面もあり、笑いと環境メッセージが共存するフィンランドらしいイベントといえます。
参加方法
エントリーは事前に公式サイトから可能です。ヘルシンキからサヴォンリンナまでは電車で約4時間かかります。
まとめ

世界には有名なカーニバルや伝統行事だけでなく、想像を超えたユニークな祭りが各地に存在します。
チーズを追いかけて丘を転がり落ちるイギリス、猫の仮装で練り歩くベルギー、砂漠に1週間だけ現れるアート都市。どの祭りも現地に行かなければ味わえない体験ばかりです。
次の旅先を選ぶとき、「どこに行くか」ではなく「どの祭りに参加するか」から考えてみてはいかがでしょう。きっと今までとは違う旅が始まるはずです。

