本記事は、韓国で日本人が実際に被害に遭った詐欺・スリの手口10種類を、外務省『安全マニュアル(在大韓民国日本国大使館発行)』をもとに整理した防衛マニュアルです。渡航前にこれを知っておけば、現地で「カモ認定」される確率がぐっと下がります。
韓国は「治安が良い」という思い込みが招く落とし穴

「韓国は近くて治安が良い」というイメージで渡航する日本人は多いです。
ただ実際は、生活習慣や文化、考え方の違いから犯罪やトラブルに巻き込まれるケースが少なくありません。
韓国警察庁の統計によれば、詐欺などの知能犯罪、暴力犯罪、交通犯罪、窃盗犯罪などが主な犯罪類型となっています(出典:外務省『安全マニュアル』)。
特に犯罪が多発しているエリアは、京畿道・ソウル特別市・釜山広域市・慶尚南道・仁川広域市の5地域です。
外務省は「安全のための三原則」として、目立たない・行動を予知されない・用心を怠らないの3つを挙げています。
具体的には、華美な服装を避ける、公共の場で大きな声で韓国の悪口を言わない、移動ルートをパターン化しない、現地の生活に慣れても警戒心を緩めない、といった行動です。
ここから先は、実際に日本人が被害に遭っている10種類の手口を、シーン別に防衛策とセットで見ていきます。
SNS恋愛・投資詐欺:信頼を築いてから送金させる

第1の手口、SNS経由の恋愛・投資詐欺です。
韓国人を名乗る人物がSNSのDMで親しげに話しかけてくる。
毎日のやりとりで信頼関係を築き、恋愛感情や親近感を抱かせます。
そのうえで「投資の話があるから一緒にやろう」「家族が病気だから一時的に立て替えてほしい」と送金を求める。
外務省には、複数回送金したあとに連絡が取れなくなった日本人の被害が継続的に届いています。
防衛動作はシンプルです。
SNSで知り合っただけの相手に、いかなる名目でも送金しない。
投資・両替・チケット転売など、一切の金銭やりとりを断つ。
恋愛感情があっても、現金を求められた瞬間に詐欺だと割り切る判断が必要です。
SNSチケット代詐欺:振込後に音信不通になる

第2の手口、SNS経由のチケット代詐欺です。
K-POPコンサートやスポーツ観戦のチケットをSNSで持ちかけられる。
「公式は売り切れだけど自分は入手できる」と言われ、振込みを促されます。
振り込んだ瞬間、相手のアカウントは消え、チケットも返金もない。
返金交渉のために連絡しても、最初から「音信不通」になる前提の手口です。
防衛動作は2つあります。
チケットは必ず公式サイトか正規代理店で購入する。
SNS・個人売買サイト・転売仲介で「特別ルート」を持ちかけてくる相手は信用しない。
定価より安い、入手困難な席を提示されたら、その瞬間が黄信号です。
カジノ高利貸し詐欺:法外な利息とチップで多額の借金

第3の手口、カジノ内での高利貸し詐欺です。
韓国のカジノで日本人や外国人と仲良くなり、その流れで遊興費を借りる。
返金時には法外な利息に加え、多額のチップを要求される。
クレジットカードでキャッシングをさせられ、帰国後も負債を抱える事例が外務省に報告されています。
防衛動作はたった1つに絞れます。
カジノ内で他のプレイヤーや常連客から金銭を借りない。
そして、自分が出せる現金の上限を出発前に決めておき、その額を超えて遊ばない。
「ちょっとだけ立て替えて」と言ってくる相手は、職業的な詐欺グループだと割り切ります。
飲食店ぼったくり:法外な料金と客引きの押し売り

第4の手口、飲食店でのぼったくりトラブルです。
繁華街や観光地で日本語の客引きに声をかけられ、店に連れていかれる。
注文した記憶のないメニューや高額な「席代」「サービス料」が請求される。
外務省には、客引きに応じて店に赴き、高額な商品を押し売りされたケースや、隣の客とのトラブルで殴り合いに発展したケースまで記録されています。
防衛動作は3つあります。
客引きに応じて店に入らない。
口コミやガイドアプリで事前に評価を確認した店だけに入る。
街中で日本語で大声の会話をしないことも、トラブル誘発を避ける鍵となります。
入店前にメニュー価格を必ず確認し、注文後の追加メニューは慎重に判断してください。
違法タクシー・コールバン:観光客を狙う高額請求

第5の手口、違法タクシーと「コールバン」による高額請求です。
「TAXI」「택시」の表記がない車が、空港や繁華街で日本人観光客を狙って営業しています。
「ジャンボタクシー」に酷似した「コールバン」と呼ばれる大型車も、観光客団体を目当てに高額な料金を請求するケースがある。
乗ってしまうと、降りたいタイミングで止められず、メーター以上の現金を要求されます。
防衛動作は4つあります。
外装はタクシーに見えても「TAXI」「택시」の文字がない車は乗らない。
カカオタクシーなど配車アプリを利用するか、タクシー会社に事前予約する。
客引きするタクシーは信用しない。
定められたタクシー乗り場、または比較的明るく人通りの多い場所から乗車する。
万が一違法タクシーに乗ってしまった場合は、車番号を控えて警察112に相談してください。
駅・市場・繁華街のスリ:複数犯の取り囲み手口

第6の手口、駅・市場・繁華街でのスリです。
外務省には、駅、市場、繁華街などでスリの被害に遭ったという報告が継続的に届いています。
複数犯が観光客を取り囲み、ぶつかってきたり身体を不自然に押すフリで気を逸らす。
その隙にバッグや尻ポケットから財布を抜き取る、典型的なチームプレーです。
防衛動作は3つあります。
バックや上着、ズボンの後ろポケットなど盗まれやすいところに貴重品を入れない。
混雑している場所で身体を不自然に押されたり触られたら、すぐに所持品を確認する。
貴重品の入ったカバンは身につけて行動し、人混みでは身体の前に抱える。
万が一遺失物に気づいたら、韓国警察庁の遺失物検索サイト「LOST112」(https://www.lost112.go.kr/manyLanguage.do?langType=jp)で検索できます。
サウナ・クラブのロッカー盗難:入浴中・遊び中の隙

第7の手口、サウナ・クラブのロッカーからの盗難です。
韓国式サウナ「チムジルバン」やクラブで、ロッカーや手荷物預所にカバンを預けたところ、財布やパスポートが盗まれた事例が外務省に複数報告されています。
入浴中・遊び中のわずか数十分が、犯行のチャンスとして狙われます。
ロッカーの暗証番号や鍵が完全な防御にならないことを、まず頭に入れてください。
防衛動作は3つです。
施設のロッカーに荷物を預ける際は、パスポートや貴重品は預けることなく携帯する。
現金や身分証明書を分散して携行し、重要な物品を同時に紛失しないようにリスク管理する。
サウナやクラブで仮眠する際も、貴重品は身に付けたままにする習慣をつけます。
食事中・チェックイン中の置き引き:一瞬の隙が命取り

第8の手口、食事中やチェックイン中の置き引きです。
レストランで食事中、ホテルでチェックイン手続き中、空港のカフェで一息ついている瞬間。
所持品から目を離した一時的な隙に、足元や隣の椅子のバッグを持ち去られます。
トイレやタクシーへのカバン置き忘れも、外務省が頻繁に記録している類型です。
防衛動作は2つです。
公共の場所で荷物を椅子・床・隣席に置かず、必ず身体に触れた状態で保持する。
カフェでの席取りやトイレ前の置き荷物は、被害発生率が高いリスク行動だと割り切る。
タクシー降車時には、座席まわりを必ず一度見回してから車を離れる習慣をつけてください。
深夜の路上ひったくり:人通りの少ない場所でのリスク

第9の手口、深夜の路上でのひったくり強盗です。
外務省には、深夜の人通りの少ない路上で所持品をひったくられる被害が記録されています。
海外では犯罪者の多くが凶器を所持しており、犯人はグループで犯行に及ぶこともあります。
一見単独に見えても、近くに仲間が潜んでいる可能性が高いと考えてください。
防衛動作は3つあります。
夜間・早朝の必要のない外出は極力避ける。
近距離でも、できるだけ交通機関を利用する。
万が一犯人に遭遇したら、両手を上げて無抵抗の意思を示し、現金を要求された場合はゆっくりとした動作で渡す。
その際、後に警察に被害届を出すために、犯人の身体的特徴をできるだけ記憶しておくのが重要です。
韓国旅行で被害に遭わないための3つの心得|まとめ

ここまで10手口を見てきました。
被害を最小化するために押さえる心得は、結局3つに収束します。
1つ目は「意識を海外モードに切り替える」こと。
韓国は近いから安全という思い込みを捨て、出発した瞬間から警戒モードに入るのが鉄則です。
2つ目は「貴重品を分散して身につける」こと。
財布・パスポート・カード・現金を1か所にまとめず、内ポケット・首から下げる小袋・スーツケースなどに分散保管します。
3つ目は「親しげな声かけは即離脱」を徹底すること。
SNS、客引き、カジノで「やけに親切」な相手は、ほぼ確実に詐欺グループの入口です。
万が一被害に遭った場合は、まず生命と身体の安全を最優先にし、抵抗しない姿勢を示します。
そのうえで犯人の特徴を記憶し、安全な場所に着いてから韓国警察112番に通報してください。
「ジャパニーズプリーズ」と申告すると、日本語通訳に接続される仕組みになっています。
加えて、消防・救急は119、24時間対応の在韓国日本国大使館領事部は02-739-7400、釜山総領事館は051-465-5104です。
カードの停止連絡は各社の海外フリーダイヤルへ最短で。
韓国は、正しく備えれば世界トップクラスにグルメ・カルチャーが楽しい国です。
今回紹介した10手口の引き出しを頭に入れ、安心して記憶に残るソウル・釜山旅行にしてください。
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【出典・参考】
外務省『安全マニュアル』在大韓民国日本国大使館・作成協力ソウル・ジャパン・クラブ
本記事は上記資料をタビゼミ編集部が独自に要約・再構成した解説コンテンツであり、外務省が作成・監修したものではありません。最新の情報は必ず外務省 海外安全ホームページにてご確認ください。